少しずつ見えなくなる恐怖と闘う勇気の物語 子どもだれだって暗やみがこわい。でも、マファルダがこわいのは、目のなかにある暗やみだ。真っ暗闇が訪れるまで、長くてもあと半年ーー。ある日、9歳のマファルダは、少しずつ視力が失われる難病と診断される。目が見えなくなるってどういうことだろう?目隠しして歩いてみる。暗やみでも歩けるのかどうかを試してみたかったのだ。暗やみでくらすようになったら、どうすれば色がわかるのだろう?不安は、どんどんふくらんだ。それから、マファルダは、やっておきたいことのリストを作り始めた。少しずつ見えなくなっていく、失明の恐怖を、少女の一人称で語られる物語は、読む人の心を打つ。作者自身の体験にもとづいた、生に対する痛いほどの愛情がこめられた、感動の物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 デビュー作にもかかわらず、書き上げた後のフランクフルトブックフェアで24か国語に版権が売れた超話題作。子どもがかかる難病のひとつで、徐々に目が見えなくなっていく“スターガルト病”に、作者自身の実体験を元に、書き上げた渾身の作品。もくじ七〇メートル1 暗やみ2 大切なことリスト3 アマゾネスごっこ六十メートル4 目のまんなかの部分5 心の友を持つ6 めがねをかけたフィリッポ7 男子にまじってサッカーをすること五十メートル8 ひとりぼっちでいないこと9 歩道の縁石から落ちたら、溶岩流にのみこまれる遊びをすること10 この戦いはいつまで続くの?11 行きたいところ四十メートル12 大人になったときの自分の顔を見ること13 黒オリーブを食べること、バンドを組んで歌うこと14 懐中電灯でおやすみなさいの合図をすること、夜空の星を数えること15 だれかを愛すること三十メートル16 ママはどんなときでもわたしを見つけられる17 紙のボールで、バスケットのシュート競争をすること18 割れた鏡19 ふしぎな話20 深呼吸21 オッティモ・チュルカレにお別れも言わないで22 学校の桜の木に登る23 アマゾネスの女戦士のように強くなること24 とても大切なこと25 (手紙)