King Kobra / Thrill Of A Lifetime
キング・コブラ/スリル・オブ・ア・ライフタイム
輸入盤
レーベル:Axe Killer Records – 3057322
2000年
ジャンル:Rock
スタイル:AOR, Arena Rock, Hard Rock
デジタルリマスター、ボーナストラック1曲追加
オリジナルは86年作、カーマイン・アピス率いる金髪美青年軍団、キング・コブラのセカンドとなった1枚です。
前作では正統派HR/HMと言えるメタリックなエッジと、キャッチーなメロディアス・ハードとしての風格がありましたが、オープニングからいきなりキラキラしたキーボードが炸裂、ハード・ポップと言えるライトな感覚にまず驚かされます。
2曲目もどこかで聴いた事があるなと思っていると、ラス・バラードのカヴァーでAORテイストのミドル・バラードが続き、以降も次から次へと陽性のポップ・ナンバーが展開されていきます。
サウンドの要となっているのは、ゲストとして招かれたデュアン・ヒッチングスと思われ、カクタスやロッド・スチュワート・バンドでのカーマイン・アピスの盟友です。
多くのアーティストに楽曲提供をしてきたヒッチングスは、映画「アイアン・イーグル」のサントラ提供曲となった「NEVER SAY DIE」の作曲にも関わり、キング・コブラのより明快なメロディアス化に貢献しています。
他にもラップが炸裂するファンキーな「HOME STREET HOME」、完全なる80'sポップのメロディを持ち、意識的にキーを外したシンセ音がちょっと気持ち悪いアルバム・タイトル曲等、かなりの挑戦をしているのが今聴いてもユニークです。
アルバム後半、やっとメタル色が全開となり、ラスト3曲はスピーディーなリフと当時はまだマーク・フリーとして活躍していたマーシーの伸びのある声が心地良い疾走感を残してくれます。
ある意味勇気ある実験的なアルバムではあったと思いますが、各曲の完成度はかなり高く、当時のBON JOVIよりもポップであったのはもっと再評価されてもいいと思われます。
※プラケースからスリムケースに入れ替えてあります。