昭和17年7月、著者山崎 正董により日新書院より出版された「横井小楠傳 上、中、下巻」約1300ページを合本復刻したものです。
復刻版 1041ページ、厚さ約5cm
定価:15000円税込み
出版:2006年1月
徳富蘇峰の巻頭言より抜粋
(前略) 予が何故にこの事業に向かって、山崎博士を適材と認めたるかに就いては、次の理由がある。 第一、横井小楠は維新の志士である。維新の志士を伝うるには、志士の周旋したる時代精神、志士の呼吸したる時代雰囲気、同時に志士の胸間に欝勃たる所謂志士気質なるものを把握み得る人たるを要す。博士は維新時代の雄藩の一たる土佐出身者であり、その環境の上よりしても、その交友の上よりしても、その教養の上よりしても、優にこの資格の持主である。 第二、横井小楠は殿誉褒既、最も甚しき人物にして、その一生は殆んど誤解の渦中に出入したと云っても不可無しだ。従って彼の伝記者は、最も厳正公平の立場にあらねばならぬ。単に伝記者自らが然るのみならず、第三者より見てまた然りと認めらるべき中立不偏の人であらねばならぬ。この意味において、山崎博士は正にその人である。 第三、伝記者はその主人公に対して、厳正公平であると同時に、理解と同情とをもたねばならぬ。熊本は山崎博士第二の故郷にして、しかも横井及びその一門に関する文書、資料等も、博士の手に存するもの、個人としては最も多く、また小楠関係者に交友鮮からず。従って鏡花水月、小楠の真相を描く伝記者として、読向きである。 第四、小楠先生の身辺には、既記の如く誤解というばかりで無く、重大なる問題、即ち国体論の如き、宗教論の如き点に就いて、大なる疑問、大なる謎題が剰存している。これを解釈するには、ただ情熱と好意とを以てすべきのみでなく、極めて精詳、審密なる科学的考察と解剖とを必要とする。山崎博士は本来刀圭家として、科学者たる素養あり。最もその資格に富んでいる。(後略) (本書巻頭言「縁起一則より。)
写真8以降に目次を掲載しました。
書籍の状態ですが、購入後全く読んませんので本体は綺麗です。ただ、写真7のように箱の内側隅部が少し茶色になっています。古書のため細かなキズや汚れがあるかもしれませんので、神経質な方はご配慮願います。