名著復刻 日本児童文学館
真田三勇士 忍術名人 猿飛佐助
雪花山人著
ほるぷ出版 昭和52年3月復刻発行
約8.5cm×12.5cm
*大正3年2月15日初版発行の複刻版
立川文庫というシリーズの中でも最も人気のあった『猿飛佐助』
立川文庫(たつかわぶんこ)は1911年から約 10年間,大阪市博労町の立川文明堂から出版された書き講談の叢書シリーズ。初めは旅回りの講談師玉田玉秀斎の口演を速記したものでしたが、のち創作講談を書きおろすようになった。『一休禅師』『猿飛佐助』『霧隠才蔵』など 25年頃までに 240巻ほどを刊行、特に青少年層に歓迎され、大正期から昭和初期の青少年にとっては現代のマンガと同様大きな影響を与えたシリーズ。
『猿飛佐助』は、立川文庫の第40篇として1914年(大正3年)に出版されました。「佐助」の名前は『真田三代記』の異本に出ているとも言われていますが、忍者としてのイメージを付与したのは立川文庫が最初だといわれています。それまでの忍者ものにはグロテスクな趣が強かったのですが、猿飛佐助に代表される大正期の忍者ものは明朗型が多く、人間味が豊かなキャラクターとして描かれています。これは大正時代を生きた大阪人の庶民的エネルギーによるものだという見方もあります。
装丁は、当時廉価な文庫本として東京の出版界を席巻していた袖珍文庫(三教書院)を模倣し、四六版半裁のクロス装、縦12.5cm、横8.5cmの手のひらサイズです、天金加工を施してありきれいです。
経年のわりにはきれいかと思います、写真をご覧ください。
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