Riot / The Brethren Of The Long House
ライオット/ブレズレン・オブ・ザ・ロング・ハウス
商品番号:SRCS7852
発売日:1995年11月11日
発売元:SONY
ライオットの95年作、通算9作目となったアルバムです。
4代目ヴォーカリストのマイク・ディメオを迎えての第2弾となり、曲の弱さと地味さが指摘された前作の「NIGHTBREAKER」から一点、充実した内容となった力作です。
映画「ラスト・オブ・モヒカン」から影響を受けたマーク・リアリが、ネイティヴ・アメリカンの歴史をトータル・コンセプトにし、重厚なHR/HM作品として一本筋を通しています。
ジャケット・アートを担当したのは、本作のみに参加したドラマー、ジョン・マカルーソ。後にイングヴェイに引き抜かれる凄腕ドラマーですが、アーティストとしても一流で、これまでのライオット作品にはない深遠なイメージを提供しています。
歌詞世界も興味深いところですが、何より注目すべきはパワー・メタル・バンドとして地位を確立した彼等が哀愁ハード・ロックの先駆者としての資質を取り戻している点です。
前述の映画のテーマ曲をカヴァーする形で、アルバムの冒頭とラストをドラマティックに飾り、中盤ではゲイリー・ムーアの政治的メッセージの強いナンバーを挟んでいますが、全体的にはこれまでのライオット・サウンドの包括的なものとなっています。
後期RAINBOWの様なリフを持つ「Glory Calling」に始まり、スピーディーなパワー・メタルから、「Rain」や「Santa Maria」、「Shenandoh」でのバラードの素晴らしさに目覚めた新機軸、アルバム・タイトル曲での拳振り上げ型アンセム・ソング等、少しの隙間も無い完成度が興奮させてくれます。
特に終盤の「Holy Land」では、あの名曲「Warrior」を思わせる哀愁メロディと高揚感が甦っていて、この1曲を聴くためだけでも本作は必聴と言えるでしょう。
シリアスな題材を含んでいるためにとっつきにくいイメージもありますが、実はかなり良質のライオット節が満載されている名盤で、マーク・リアリのセンスが再び開花したとも言える転機作であったとも思われます。
※プラケースからスリムケースに入れ替えてあります。