It Bites / Thankyou And Goodnight
イット・バイツ/サンキュー・アンド・グッドナイト~ライヴ
発売会社:東芝EMI
発売年月日:1991/09/04
規格品番:VJCP28074
イット・バイツのライヴ・アルバムで、実質的にはバンド最盛期の最終作となってしまった1枚です。
マリリオン、IQ、トゥエルフス・ナイト、パラス、ペンドラゴン等、英国でHR/HMシーンともリンクしながら発生したネオ・プログレッシヴ、ポンプ・ロックとも呼ばれた新しい流れのバンドが相次いで登場する中、このイット・バイツも86年にデビューしてます。
ピーター・ガブリエルを彷彿させるヴォーカル、YESの様な緻密さ、QUEENに通じるコーラス・ワーク、そしてポップ・センス溢れるメロディで、ASIAに継ぐ存在とまで見なされていました。
とりわけフロントマンのフランシス・ダナリーとキーボードのジョン・ベックの容姿端麗なヴィジュアルはアイドル的人気も促し、ここ日本でもかなり話題となったバンドです。
本作は3枚のスタジオ・アルバムをリリース後、89年にテレビ放映用に収録されたライヴ音源の様で、彼等の高度なテクニック、コーラス・ワークに改めて驚かされる内容となっています。
歌メロだけ聴いているとかなりポップで、時にはメロディアス・ハード、時にはAOR、時にはシンセ・ポップと、バラエティに富んだ音楽性がプログレ、そしてHR/HMファンにも愛された要因になっていたと思われます。
ピーター・ガブリエルを彷彿させるヴォーカルのせいもありGENESISと良く比較されてきましたが、フィル・コリンズ主導時のGENESISサウンドともかなり共通点がある事も興味深いところです。
スタジオ・テイクにも劣らないサウンド・プロダクションも、完璧なライヴとしての魅力となっています。
セット・リストはコンパクトながら、彼等のキャリアのベスト盤的セレクトであるのも嬉しいところです。
各メンバーの演奏力と優れたメロディ・メイカーとしての資質、そして見た目の華やかさとは対照的な欧州的な翳り、これらを全て兼ね備えていたバンドだっただけに以降の解散が実に残念でした。
フランシスの脱退後、彼等はジョン・ミッチェルを迎え2006年に再結成を果たしています。
※プラケースからスリムケースに入れ替えてあります。