クレーメル(vn)アーノンクール／ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、二重協奏曲

ブラームス ①ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77（カデンツァ編：エネスコ） ②ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 イ短調 作品102 ギトン・クレーメル(ヴァイオリン) クレメンス・ハーゲン(チェロ) 指揮:ニコラウス・アーノンクール ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 録音:1996年、1997年 古楽の成果を取り入れたアーノンクールの新鮮な解釈が光るブラームス。それに応えるクレーメルも素晴らしい。とくにハーゲン弦楽四重奏団のクレメンス・ハーゲンを迎えての二重協奏曲は非常に室内楽的で示唆に富む。これこそがこの作品の本来の姿。 ブラームス流儀の重厚な響きを有した作品に対してのアーノンクールの解釈は、とても鋭敏かつ明瞭。コンセルトへボウ管ならではの高純度な響きも流石。エネスコ編カデンツァは、クレーメルらしさがヒシヒシと伝わるし、二重協奏曲に関しては、現代を代表する名クァルテット、ハーゲンSQのチェリスト、C.ハーゲンとの共演、その豊かな芸術性にも注目。 クレーメルはブラームスのヴァイオリン協奏曲を3回録音しています。1回目はカラヤン／ベルリン・フィル、2回目はバーンスタイン／ウィーン・フィル、3回目が本盤になりますが、それにしても凄い指揮者とオケとの組み合わせです。クレーメルのヴァイオリンはいずれも素晴らしく、聴き比べが楽しめると思います。カデンツァもそれぞれ異なり興味深いです。アーノンクールは端正でやや控えめにオーケストラをコントロールしているように感じますが、それでもスケール感は大です。 クレーメルは若き日は情熱的で、年とともにそれ相応に油ぎった部分が薄れていく。それが吉と出る場合とそうでない場合があるが、本作は前者の例。滋味のある演奏がブラームスの曲独特の精神性とマッチして、ヴァイオリン協奏曲は素晴らしい演奏。それでもアルペジオの数々は、鬼気迫る印象すらあり、クレーメル迫真の演奏。後の楽章も、高い緊迫感を持って進んでゆく。二重協奏曲に入ると、クレメンス＝ハーゲンの登場。アーノンクールは、二人のソリストとオーケストラをうまくまとめている。ロイヤル・コンセルトヘボウの響きの美しさも比類無い。 初期輸入盤、盤面傷無し ＊まとめ買い値引き致します(要事前コメント) 　追加1点に付き各150円引き 　10点以上は全品150円引き