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ラピス・ラズリーのスプーン型ビーズ 前1500年頃に類例,神の力とされたラピス

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本品は、ラピス・ラズリーのスプーン型ビーズです。スプーン型の内側は丸く凹み、濃紺のラピス色に青白の斑点が見られ、上部は小さな取っ手の形となっています。凹め部分の青白の斑点は、キラキラしませんが、ラピスに通常、含まれるパイライトとと想定されます。胎の裏側では背が、濃紺で平らに成形されています。入手時に、前1800~前800年頃 のビーズと説明を受けました。 スプーン型ビーズは、研究書 A Bead Timetable では200年頃、ローマン・ガラス・ビーズ群に、上部に紐を通す孔とその下の平たい丸形板状のビーズが掲載されています(613番)。丸形板状ビーズの中央はやや凹み、スプーン形のように見えますが、意図的にスプーン形に成形されたかは判明しません。  同書の1100-1200年頃に、面取ラピスなどラピス・ビーズ12例が掲載され、全てが胎中央の穿孔で、本品のように上に紐孔をもつビーズでありません。  他方、同書、前1500年ころに15ほどのカーネリアンが掲載され(450番)、このうち紐を通す孔付きスプーン型が3例ほど掲載されています。ただ、画像は小さく、中央に凹みがあるかは確認できませんが、形状は類似しています。  前1500頃は、レバントではミタンニ王国が力をもち、青いファイアンス製の大きく平たい丸形板状で紐を通す孔付きのビーズが存在し、また、エジプトでは新王国時代、最初の18王朝期に該当し、平玉の中央に1つ大きなアイを施した、紐を通す孔つきのビーズが存在します。この時期に近い掲載のカーネリアン・ビーズや、また、本品のスプーン形ビーズが、上に孔つきビーズとして存在しても不思議ではありません。 しかし、本品の穿孔された孔を見ますと、丸く直線的で、この点を考慮すると、前1500年頃のビーズと言い切れず、19世紀後半頃のビーズかもしれません。  とはいえ、ラピスは、前3000年~前2000年代に神聖なビーズとして用いられ、新興シュメール都市国家では、ラピスは神の力を表し、その所有者は最も豊かで権力をもつ人に制限されていました。  本品は、前1500年頃のスプーン型に似たビーズと考えられ、少なくとも約4000年前のビーズを忍ばせ、また、その力と人々の憧れを身近に感じさえてくれる。珍しい形状のラピス・ビーズです。 サイズ:縦 約11㍉ 幅(最大) 7㍉ …
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