ラフマニノフ
①ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 作品1
②ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ) ツィメルマン
指揮:小澤征爾
ボストン交響楽団
録音:1997年12月①、2000年12月②
発売が2003年末、この一枚のアルバムを仕上げるにも実に6年の歳月が費やされており、“思索と研鑚の人”と言われるこのピアニストならではの熟考ペースが貫かれています。何に限らずせちがらい今の世でこんなことが許されるのも、やはりその比類のない才能ゆえのことでしょう。超有名曲である第2番において、ツィメルマン以外にあり得ないと言いたくなる個性を刻印しているあたりはさすが。無伴奏による冒頭の序奏部から早くもただならぬものがあり、感傷的になりがちな曲想から一種峻烈な表情を導き出す、極度に磨かれた音色の毅然たる美しさに瞠目もの。第2楽章の美感も特筆ものですし、終楽章では胸のすく華麗なテクニックも聴かせてくれますが、どれほど美と技を振りまこうと格調の高さが一瞬たりとも失われないのは驚き。小澤のセンシティヴな伴奏も大手柄で、ボストン響のメロウな響きはツィメルマンのピアニズムとの相性も抜群。特に、第1楽章中盤でのホルン・ソロと木管の絡み合いなど「オザワ&ボストン」以外ではちょっと考えられない美しさ。第1番も、第2番とのネーム・バリューの差が不思議に思われるほどのみごとな出来栄えです。
評判になったCDだけに、また人気音楽評論家:宇野功芳氏が絶賛していることもあってか、反対に低い評価を下す人もいるようですが、特に第2番は史上最高の名盤だと思います。小澤の指揮による第2楽章は史上最高でしょう。前奏の透明感、それ以上に続くフルートの何という美しさ!肝心のピアノですが、まず、この曲をこれほど完璧に弾きこなしたのはツィマーマンが初めてなのは明らかでしょう。テクニックの評価は結構客観的にできるので、このことに異存がある人は少ないと思います。これ以上の演奏は今後もなかなか出ないのではと思っています。それ程感動的な名盤。
国内盤、帯付き、盤面傷無し 10
プラケース少しすれあり
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