このカメラは、富士フイルムから1962年3月に発売されたシャッター速度優先プログラムEEカメラですが、EE連動範囲外になるとシャッター速度が自動的に変更されるコパルマジックというシャッターを搭載した世界初の複式プログラムEEカメラです。
コパルマジックは、セレン露出計の僅かな発電力をトリガーとして、電池を使わず機械仕掛けだけで露出制御する非常に複雑なメカニズムを備えています。価格も高価であったことから、このシャッターが使われたのは日本ではこのカメラが最初で最後です。海外に一部輸出もされていたようですが、実際にコパルマジックが使われているのは東ドイツのペンティナだけです。
他にもこのカメラは、巻き上げ巻き戻し機構やフィルム装填軸、シャッターチャージしないと絞り環も速度環も動かないなど非常にユニークに仕上がっています。
作動は良好です。
ボディーには少し傷や汚れがありますが、60年前のカメラにしては良好です。
レンズ内に少し塵があります。またコーティングに焼けが見えますが、撮影には殆ど影響ないと思います。
ファインダーには、やや曇りがあります。
ストラップはオリジナルの革製ですが、相当劣化しています。
フィルター、フード、レンズキャップは附属しません。
*諸元
発売日: 1962年3月
発売価格: 16,000円
レンズ: FUJINON-R 47mm F2.8-F16 (3群4枚構成)
フィルムサイズ: 135 (24mmX36mm)
シャッター: COPAL MAGIC B・1/30・1/60・1/125・1/250・1/500秒
露出計: セレン光電池メーター
焦点調節: 距離計連動前玉 回転式
ファインダー: 採光式ブライトフレーム、パララックス自動補正
フィルターサイズ: 35.5mm
シンクロ接点: M 、X
大きさ・重さ: 幅140mm 高さ88mm 奥行き73mm 720g
主な特徴: 世界初の複式プログラムシャッターを搭載したカメラ