地方の古い家の食器棚に置かれていたとされ、1980年代にスウェーデンなど北欧旅行で入手し、ほとんど使用することなく、観賞用に置いてあったと聞きました。
スウェーデンのグスタフスベリ社は、1825年に創業され、個性ある陶磁器を制作し、1990年代に多くの部門が他企業に買収されましたが、工芸職人は現在でも当時の設備をもとに、伝統に準じ、手作りに近い製法で、手作りによる温かみのある、様々な食器を提供しています。
本品は、同社で制作され、広く提供された真っ白な器にブルーパープルで立体的なベリー柄が魅力的なクリーマとは相違しますが、上部に同社の代表的な、やや黒みを帯びたブルーが太めに、また、濃紺(深い青色)が細く白の胎に描かれています。線の伸びや端に、太さが微妙に相違するなど、手作りの跡が見られ、大量生産品には無い、温かみをかもし出しています。
また、裏に刻まれたロゴは、十字部分に紐がない1970-93年まで使用されたロゴで、本品入手時が1980年代の訪問時に該当します。復刻のロゴとは違い、ヴィンテージ品です。また、こうした小さなミルク・ジャーは、
大量生産による製品とは異なる、温かみのある製品に仕上がっています。
ミルク・ジャーの製造は、全てかは判明しませんが、近年、生産されなくなっているとも言われ、その点でも貴重なヴィンテージ品です。
白の胎に、黒みを帯びた太めのブルーと、細めの濃紺(深い青色)を施した、グスタフスベリの世界を、コーヒーなどを片手に眺めていただければと思います。
なお、ヴィンテージ品ですので、底の高台下(畳付け)に釉薬の欠けてないか、あるいは、その後、経変変化によるため、白の胎と異なる小さな部分が見られます(5枚め)。また、胎内側上部に、細い黒い線が見られますが(7,8枚め)、多分制作時に生じたと思われます。ご確認され、御了解下さい。
サイズ 上部 最大部 約7.5㌢弱 横幅 約5.3㌢強 高さ 約6.8㌢強