●『もしもし下北沢/よしもと ばなな (著)』
出版社 : 毎日新聞社 (2010/9/25初版)
初出 : 毎日新聞2009年10月3日~2010年9月11日。
単行本サイズ:19.5×14.0×2.0cm。270ページ。
●【作品紹介】
お父さんが知らない女と心中してしまった。残された私は、自分の人生をやり直すため、下北沢に部屋を借り、近所の小さなビストロで働き始めた。ところが、ようやく日常生活を取り戻しつつあった頃、突然お母さんが私の部屋に転がり込んできて、奇妙な共同生活が始まる。
決して埋めることのできない喪失感、孤独を抱える母娘を下北沢の街がやさしく包み込む――。
●【読者レビュー】
いつのまにか吉本ばななワールドに癒される不思議な作品。大切な人を亡くした人に寄り添って癒される珠玉の一冊
父親が無理心中に巻き込まれたあと、逃げるように下北沢に引っ越してきた娘と、そこに転がり込んできた母、そして下北沢の街が主人公。
20代の瑞々しい感情を描き続けられる著者は本当にすばらしいな、というのが正直な感想。初期のよしもとばなな作品、まさにピッチピチの水が滴るような感性で執筆していたであろう作品には、存在すらしなかった、どこにでもいそうな中年たち、”母親”や”お父さんの友達”がリアルに生きている。
父親が不倫相手と心中した娘の話って一体どう展開されるんだろう?そこは吉本ばななさんの小説。ドロドロした話ではない。やはり読んだ後、癒された。
時が解決するわけでもなく、救ってくれる人がいるわけでもない。とんでもないことが起こっても、みな、自分で生きていかなくてはならない。そんな現実もちゃんと突きつけてくれる。
舞台となったお店
読んでいてとても気になってしまったのが、そこの料理を食べて主人公とその母親が生きる気力を取り戻し、その後物語のメインの舞台となるビストロ。料理を丁寧に作る様子の描写が印象に残る。
下北沢、そこに集いし庶民の街 ここに描かれてる下北沢は、古きよき商店街が、元気一杯営業してる時代のことであろうけれども、ばななさんが生活していた下北沢は、もう懐かしい思い出の中にしかないのだろう。
●【中古本状態など】▼カバーふちまわりやや磨耗やスレあり。カバーうらバーコード付近にうっすら磨耗剥げあり。写真2枚目ほか参照ください。