ベートーヴェン
①ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101
②ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
エリック・ハイドシェック(ピアノ)
録音:1965年頃 ステレオ(アナログ/セッション)
ハイドシェックは、1967-73年に仏EMIでベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を録音しましたが、これはその前、伝説的エンジニアのアンドレ・シャルランに認められて後期ソナタを録音しています。当時20代だったハイドシェックの輝かしい音色と鮮烈な演奏が蘇りました。ことに第28番第2楽章とフィナーレの奔放さは、伝説の宇和島ライヴの「告別ソナタ」を彷彿させる凄さ。それをアンドレ・シャルランが余すことなくとらえています。
27歳の青年ハイドシェックの驚くべき深い音楽性と美しいタッチが蘇りました。ハイドシェックが音楽に傾ける真摯な態度と湧き出る即興性を、アンドレ・シャルランが奇跡的に収録しています。
宇和島ともEMIの全集とも違う、勿論2000年仏AGONの録音とも違う、多分彼20代の幻の録音。伝説の録音技師シャルランの手によるもののようで、かなり古びてこもっていますが、とてもアナログでシックな、まるでベーゼンドルファーのような音質になっています。スタインウェイ使用とCDには明記されていますけど。上手な録音の醸し出す独特な音場(もしかすると疑似ステレオかもしれませんけどね)がズバリこれらの曲にマッチしています。ハイドシェックも後年のような恣意性は全くなく、才能とセンスに恵まれた若手の飾らない演奏が、この時に限り何かと共振し合って、奇跡の音世界を生み出したと言う感じでしょうか。背筋がぞくぞくする空気感が展開され、気付くとすでにこの世とは異なる世界に連れ出されている。後年の彼の録音からは聴けないしびれるような霊妙な気配です。晩年のベートーヴェン特有の高貴な世界を万全に描き切る、絶妙この上ないテンポ感、スピリチュアル性に満ち満ちた極上の演奏です。
国内盤【廃盤】帯付き、盤面傷無し 12
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