Baphomet Amulet バフォメットのアミュレット
西洋の神秘主義と現代のゴシック・サブカルチャーにおいて、最も強力で複雑な象徴の一つである「バフォメット」を表現したジュエリーです。
19世紀フランスの魔術師エリファス・レヴィによって、宇宙の二元性を統合するシンボルとして描かれた、ヤギの頭、天使の翼、女性の胸などを持つ半人半獣の存在です。彼は、善と悪、男性と女性、光と闇といった対立する概念の調和を表現しようとしました。しかし、彼の意図とは裏腹に、バフォメットはその後、サタニズム(悪魔主義)のシンボルとして広く認識されるようになりました。これは、特にサタン教会が逆五芒星の中にバフォメットの頭部を配した紋章を公式シンボルとして採用したことが大きく影響しています。
円形のフレームの中に逆五芒星が描かれ、その中心にバフォメットの頭部が配されています。これは、サタン教会の紋章を思わせる、非常に象徴的なデザインです。逆五芒星は、西洋魔術において「物質が精神を支配する」という意味合いや、悪魔のシンボルとして用いられることがあり、このペンダントが悪魔崇拝的な文脈で解釈されることが多い理由となっています。
単なる装飾品ではなく、以下のような多層的な文化的意味合いを持つアミュレット(お守り)です。
キリスト教的な価値観や社会規範に公然と反発する、反体制的な精神を象徴しています。それは、伝統的な道徳観に縛られず、個人の自由意志と自己の欲望を肯定する姿勢を表現するものです。
一方で、レヴィの本来の意図に立ち返れば、これは物質と精神の二元性を探求し、宇宙の隠された真理に迫るための神秘主義的なシンボルでもあります。
現代において、この種のジュエリーは、ブラックメタルやゴシックファッションといったサブカルチャーの重要なアイテムとなっています。それは、ただのファッションではなく、個人のアイデンティティや、ダークで神秘的な世界観を表現するための、強力なステートメントピースです。
中世の異端審問の伝説、19世紀の魔術的な再解釈、そして現代の反体制的なサブカルチャーが重なり合った、非常に深い文化的・精神的な意味を持つアイテムと言えるでしょう。
Fantasia/ファンタジア/カタカムナ