モーツァルト
レクイエム ニ短調K.626
指揮:ニコラウス・アーノンクール
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
オルトルン・ヴェンケル
クルト・エクヴィルツ
ロベルト・ホル
ウィーン国立歌劇場合唱団
録音:1981年
録音から40年が経過しましたが、初出時の鮮烈な印象は今もって消えていません。時代を大きく動かしたモツレクです。
アーノンクールは二度録音しています。どちらもバイヤー版での演奏で、1981年録音の旧盤の方は当初大変話題になりました。ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスはアーノンクールが率いる古楽器の団体で、これは彼らしいピリオド奏法の特徴をもった演奏です。バロック時代のものを扱うときのようなスタッカートや途中から猛然と走って行くような風変わりはありませんし、音の出だしで弱く、途中で盛り上げてまた弱くするメッサ・ディ・ ヴォーチェの呼吸もこのレクイエムでは比較的少ないですが、ピアニシモで消え入るように弾かせたりはしています。そして全体に引き締まっていて、短く切っ て訴えるフレーズが目立ちます。アーノンクールは才能がありますが、またずいぶんうまく運んだものだと思います。確かに個性的な演奏ではありますが、ソプラノは飾りのない素直な声です。
期待せずになんの気持ちもなく聴き始めたら、驚いた。恐ろしすぎる、怖すぎる。心が締め付けられるほど震える。何も悪いことをしていないのに、罪を問われているような気持になってくる。それこそレクイエムという曲が人間に対して問いただそうとしていることなのだからこの反応は正しいのだろうけれども、やっぱり悪いことをしたのかもしれない、改心しないと大変なことになる、という気持ちになる。畳みかけるように問われ、心を鋭く刺すように攻撃される。ピリオド奏法は清冽さの世界だけでなく、心臓を抉るような生々しさでもって迫ってくる。こんなふうなモーツァルトの鎮魂歌は、その後はクルレンツィスが指揮するまで無かったのではないか。アーノンクールによる最初のモーツアルト・レクイエムは、まさしく、時代の先鞭をつける名演!
国内盤、帯無し、盤面傷無し 7
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