shinmenboku

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基本的に英語のレシピ本ですが、1984年の世界料理オリンピック(略称 “IKA”)における米国チームの団体戦金メダルという特定の機会を記念した限定出版。受賞作だけでなく、優勝に至るまでに総勢14人の団員たちがそれぞれに知恵と技量を尽くした試作品のレシピを、カテゴリーごとにどっさり掲載。たとえばサラダだけでも27種類、肉料理は43種類。ただ、この本は自称「粗食調理家」の私には宝の持ち腐れで、ずっとキッチンの片隅のお飾りになっていました。今後は、レシピのレパートリーの充実を目指される真に料理好きな方、あるいは「(新)アメリカン・キュイジーヌ」の胎動期や萌芽期にご興味のプロの方などのお役に立ってくれれば、と出品を思い立ちました。 ハードカバー、実質内容152ページ。ページ外周に多少経年ヤケが見られますが、全体にとてもキレイな状態です。ただし「アメリカン・キュイジーヌの進化」と題した短文の1ページにだけ、私が鉛筆で薄くアンダーラインを引いた跡が残っています。(写真9枚目:すみません!) この本はそもそも10年以上前、米国の伝説的マスターシェフ、フェルディナンド・メッツ氏(2枚目の写真右ページの人)と面談した際に、氏からいただいたもの。(写真3枚目は表紙内側余白にいただいた著者サイン。)メッツ氏はそのキャリアを通じて料理人として、教育者として、またシェフ資格の認定制度の確立などを牽引した啓蒙活動家として名を馳せ、「米国料理界のアカデミー賞」ことジェイムス・ビアード賞生涯功労賞受賞のほか、フランスでの受勲など英独伊など欧州の国々からも顕彰多数。アメリカ料理連合元総裁にして、世界82か国800万人以上の会員(当時)を擁する世界シェフ連盟の元総裁という重鎮です。2019年の現在も、米国きってのエリート料理学校「The Culinary Institute of America」の名誉学長など肩書あまた。日本にも代官山と神戸の2校があるパリ本拠の国際的エリート料理学校「ル・コルドン・ブルー」米国法人の総学長を務めたこともあります。 なお、今や「料理オリンピック」と聞けば自然にフランスの「ボキューズ・ドール」が連想されますが、この2年おきの大会が1987年に開始されるまで、1900年以来ドイツで4年に一度開催されているIKAこそが、最重要の国際競技会でした。