古伊万里染付芙蓉手向付5客 江戸前期
大明年製
直径8.7cm 高さ6.5cm
非常に薄手で磁器の質感の中でもきめ細やかな土を用いて作られた結果でしょうか?
不思議な程、手に馴染みます。
縁には1mmにも満たない厚みを強化しており、器全体の薄さに強度を保たせる工夫がされております。形状と年度への拘り、研究が見事です。
絵付に関しましても、当時の絵師がここぞとばかりに技量を発揮しております。
まず、胴回りに描かれた線と呉須のバランス。
この時代に呉須を濃く描く事は富の象徴ともされていた為、絵師も呉須の濃さをアピールする為にグッと濃い丸を花に見立てて描いております。
驚くのは内側の見込にかけての線と画力です。
器の内側に絵筆を用いて描く場合は、枝の長い筆を使用します。
筆を握る部分も毛とは逆の尻の方を軽く持ち、筆先のバランスを取りながら器を持つ方の手を巧みに動かしつつ描いていきます。