一冊の本の書きだしには、その作品のすべてがこめられている……そんな感じがします。
そういう「書きだし」を手描き文字で描いてみました。タイトルのところは、古い書体をアレンジして入れています。
サイズはポストカードで、モノクロです。厚めの紙にインクジェットでプリントしたものです。
夏目漱石の『吾輩ハ猫デアル』の書きだしは、こんなふうです。
『吾輩は猫である。名前はまだ無い。』
日本人ならだれでも知ってる?あの有名な書きだし。いろんな本の書きだしの中でも、もっとも知られているものといっていいかもしれません。
これは、「猫」の生まれてすぐの自己描写ですが、この猫ちゃん、お亡くなりになるときはかなりあっけない。
苦沙弥先生(漱石)の家のお勝手に放置された飲み残しのビールのグラスを舐めて酔っぱらい、行水の水を溜める瓶に落ちて土左衛門に……
『吾輩は死ぬ。死んで此太平を得る。太平は死ななければ得られぬ。南無阿弥陀仏々々々々々々。難有い難有い。』
則天去私なのかどうなのかわかりませんが、えらくさらっと終わってしまいます……
ちなみに、夏目家では、この猫くんのモデルになった黒猫が飼われていたそうですが、この猫が死んだとき、漱石は知人に猫の死亡通知をだし、墓まで建てたそうです。
オリジナル作品ではなく、厚めの紙(画用紙程度)にプリンタで刷ったプリントです。
額はついていません。
インクジェットプリンタによる印刷ですので、水に濡れるとインクが流れることがあります。
郵便物として発送いたします。