GA!FA “KAKASHIA”　総刺し子 シャツ・ジャケット

以前、GA!FA × GETEMONTS名義で制作された、 「案山子（カカシ）の服」シリーズ、 “KAKASHIA”。 ヴィンテージのオックスフォード生地をメディウムに、 カラーやカフスを外し、しぼり、色を抜き、ボタンホールをかがり、アンティークやビンテージの貝・ガラスボタンを使用した、 空の雲を写した様な1枚でしたが、 ブリーチによって弱くなった生地に着目し、 敢えて、自ら着用し、 生活の中で襤褸けさせたシャツ全体に、 製品加工ならぬ、 製品 総刺し子を施した吉田ポーターもびっくらポンな1枚。 by walid Archivio J.M. Ribot、 John Alexander Skeltonなどお好きな方イカがで有馬賞＝いや記念か。 サイズ： 肩50cm 袖丈52cm 身幅57cm 着丈70cm 忘れましたが、 100m以上確実な白い刺繍糸の乱れ打ち。 抽象的で空と雲のような模様の上をストライプ状に走る刺し子。 前立てに並ぶ、 大ぶりボタンの鈍い輝き。 其処彼処に見られる当て布や ダーンによるリペアのステッチワーク。 切りっ放しの糸と断ち切りの生地の糸ダレわグランジの意匠＝衣装 ヴィクトリアンでありながら、 どこかアジア・エスニックな不思議な印象。 GA!FAらしい、 唯物を超えた有機的で呪物的な凄まじい作品です。 ● 寝る前にアガンベンの『中味のない人間』を愛読してまして、いつも2ページくら読んで寝落ちします←止めようぜ 非常に細密な大曼荼羅でして、 ベンヤミンとニーチェ譲りの美学者ぶりが面白い。 アガンベンわニーチェを引いてこう云ふ、 芸術とは「生を無化しようとするあらゆる意志に対して向けられるアンチテーゼの力であり、（略）すぐれてアンチニヒリズム的な原理にほかならない」 「われわれが世界に価値を帰するさいに用いる目的、統一性、存在といったカテゴリーはまたもわれわれから奪われている」 「芸術は真理よりもいっそう価値がある」 「われわれは真理に対して屈服しないために芸術をもっている」 これも一つの真理と云ふ逆説を孕むが、 生活の中で人の手で作られた物が何故あれほど美しいか。 岡本太郎わ、人わ皆、芸術家だといった。 国家や産業によって無化される自己への救済。 自由。 それわ空と雲が映す自由である。