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内容紹介

日本人初!ベートーヴェンに半生を捧げてきたピアニスト山根弥生子によるベートーヴェン全ピアノ独奏作品録音プロジェクトが、遂に完結!

バガテル、エコセーズなど個別に数えて実に全50曲にも及ぶ小品を収めた当盤は、ベートーヴェンの描くミクロコスモスが、ソナタなどでは見せない独自の豊かさに満たされていることを証明する。
バガテル群の中で聴くことによってはじめて作品の本質があぶり出された《エリーゼのために》など、楽聖の鍵盤作品の全容を深く知る山根だからこそ引き出し得る、深い味わいに溢れる2枚組!

レコード芸術特選盤、毎日新聞特薦盤、音楽現代推薦盤

メディア掲載レビューほか

長いキャリアを持つ山根のこのCDは、実に心地よい衝撃であった。極めて切れ味のよいタッチ、音の粒子の飛沫すら感じさせるみずみずしい音、細部まで練り上げられた構成、作品と自在に遊ぶかのような軽やかなその音楽は、演奏の喜びに満ちている。演奏人生の頂点に立つ山根の姿を見る思いがした。 --西原稔氏(毎日新聞2013年7月17日夕刊)

山根弥生子は作品の各フレーズ、各部分に秘められたベートーヴェンの心情あるいは感興を、あやまたずに汲み取り、注意深くそれらに最上の表現を与えてゆく。このような心やりのこまやかさは、ベートーヴェンのみならずあらゆる作曲家の作品に対して注がれるもので、山根弥生子という掛替えないピアニスト=芸術家の根底に息づく資質と見て誤りあるまい。

今いちど記すが、ベートーヴェンの全ピアノ独奏作品が、このように“生命(いのち)”ある表現のもとにすべての録音を完結したことの意義はきわめて大きい。これは私たちの間のみではなく、世界に向けて発信すべき快事である。 --濱田滋郎氏(レコード芸術2013年8月号)

多彩な小曲が次々と演奏され、見事な小宇宙が展開される。どれも実直な、細部まで疎かにしない丁寧な演奏だが、ライフ・ワークとして長年ベートーヴェンに打ち込んできた彼女ならではの含蓄に富んだ味わい、描き出される豊かな世界は比類ない。それがベートーヴェンの偉大さであり、彼の音楽に献身してきた山根弥生子の偉さに違いない。2枚組で、1分足らずの作品から長くても8分程度の小曲が集められているから、曲数にして50曲に及ぶ。かなりの音楽好きでも初めて耳にされる作品があるかもしれない。ベートーヴェンのピアノ音楽の全貌を知るためにも、貴重な録音といえるだろう。 --青澤唯夫氏(音楽現代2013年9月号)