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内容紹介

フランスへ亡命したソマリランド出身の女性歌手
故国への想いと平和を歌う

アフリカ大陸の東に突き出した地域、通称アフリカの角を領域とするソマリア。90年代より無政府状態が続き激しい内戦とテロ、そして海賊が横行するこの国の北方に、武装解除し平和国家として成立しているソマリランドがあります。91年にソマリアからの独立を宣言し、独立国家として機能しているソマリランドですが、国際社会からは独立を認められていません。サハラ・ハルガンはその不思議な平和国家ソマリランドの出身。
サハラは伝統歌手だった曾祖母、祖母の血を受け継ぎ、13歳の頃から歌手としての活動を始めました。その後ソマリアが内戦状態に陥り、彼女の住むソマリランド地域が独立の戦いを始めると彼女は看護婦として前線に加わり、兵士達のために歌い、その苦しみを慰める活動に勤しみます。そういった彼女の行動から、兵士を意味する「ハルガン」のニックネームがつきました。次第に内戦が激化すると彼女は国外へ亡命、故国のことを思い、また世界各国に離散したソマリ人難民達へ向け、フランスを拠点に歌手活動を続けました。2009年に最初のアルバムをリリース、そして2010年頃に二人のフランス人ミュージシャンと結成したのが、このトリオです。
メンバーはヴォーカルのサハラ、ギターのマエル・サレート、パーカッションとカマレンゴニ(西アフリカの伝統弦楽器)のエムリック・クロル。マエルはオルケストル・トゥー・ピュイサン・マルセル・デュシャンを始めとした様々なバンドでワールド・ミュージックとロックを融合させてきたキャリアの持ち主。エムリックはマリ音楽を現地で学び、現在はベカオ・カンテットのドラムズとしても活躍、今年のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドで来日公演も行いました。彼らの作り出すサウンドはソマリの伝統音楽をアップデートしたもの。アクースティックのアンサンブルや、砂漠のブルースを彷彿とさせるエレクトリック・ギターも聴き物です。ソマリア出身歌手では英リアル・ワールドからソロ作を出しているマリアム・マーサルが知られていますが、彼女達はよりソマリの伝統の風合いを残しながらも先鋭的なサウンドを展開、サハラの自作の他、ソマリアのトラディショナル・ソングや伝統系の歌手の楽曲を取り上げ、故国への想いや平和の祈りを歌にします。
さらに本作にはサハラが二十数年振りにソマリランドに帰国する姿を追ったドキュメンタリー映画『サハラ・ハルガン・リターンズ・トゥ・ソマリランド』を収録したDVD(英語字幕付き)を付属。彼女がより広く知られてほしいと願うソマリランドの歴史と現在を、より深く知ることが出来る作品となっています。

メディア掲載レビューほか

ソマリランド出身の女性歌手、サハラ・ハルガン。内戦の激化とともにフランスに亡命した彼女が、2010年頃に二人のフランス人ミュージシャンと結成したのがこのトリオ。ソマリの伝統の風合いを残しながらも、アクースティックのアンサンブルから、砂漠のブルースを彷彿とさせるエレクトリック・ギターを取り入れたものまで、先鋭的なサウンドを聴かせる。サハラの自作の他、ソマリアのトラディショナル・ソングや伝統系の歌手の楽曲を取り上げ、故国への想いや平和の祈りを歌にした一枚。 (C)RS