知られざる大女優の美しくリッチで波乱の生き方谷洋子(1926〜1999)の祖母は鏑木清方の有名な美人画のモデル。この鏑木の美人画「築地明石町」は44年ぶりに世に出て、国立近代美術館が購入。今年の11月から展覧会で一般公開される。母はモダンガールで佳人薄命の美人。文字通り美の家系のセレブが、一年間という条件で単身、パリに留学。しかし、本心はそのまま滞在し、パリで女優を目指すつもりだった。谷洋子は、歌手アズナブールなどが出演している最高位キャバレー「クレイジー・ホース」で稼ぎながら、女優を目指し、フランス映画、アメリカ映画、イタリア映画に出演、1957年にイギリス映画の大作「風は知らない」で主役を勝ち取った。この映画で谷洋子は欧米では完全に国際映画スターとして認知され、出演依頼が殺到する。その後、数々の著名人、藤田嗣治、レジェ、ブラック、ブラマンク、ローランサンなどと交流、富と名声を手にする。プロローグ 巴里からパリへの連なり第一章 出生の地パリへ第二章 祖母・母からの恋と知のDNA第三章 運命の出会い、映画界へのデビュー第四章 国際女優への脱皮と離婚第五章 華やかなキャリアの"区切り"第六章 取り巻く人々の"愛"第七章 自由人の美学第八章 パリに死すエピローグ 魅力的な一匹の仔猫