ある日、十二歳のフェリックスは決心した。ぜったい金持ちになってやる!お金がないから夏休みの旅行は中止、なんていわれるのは、もういやだ。もっとお金があれば、両親もけんかをしなくなるだろう。何より、お金持ちになれば、女の子にもてるはず…。さっそくフェリックスと二人の仲間は、芝刈りのアルバイトを始め、ニワトリを飼ってタマゴを売る計画にもとりかかった。経済のことをよく知っている楽器商のシュミッツさんと知り合ったことから、帳簿のつけ方を教わり、証券取引所の見学にも連れていってもらい、そしてついに、自分たちで株の取引を始めることに…?十二歳の子どもたちが、身近なところから「お金」と「経済」について学んでいく姿を、楽器ケースに隠されていた昔の金貨の謎とからめて、生き生きと描いたユニークな物語。