オランダのピアノ・デュオが満を持して作り上げた会心の一枚ルーカス&アルトゥール・ユッセンはオランダの傑出した兄弟ピアニストで、2008年にNHKで放映された「スーパー・ピアノレッスン」では講師を務めたピリスの元であどけない笑顔を見せていました。この『ロシアン・アルバム』はドイツ・グラモフォンからの2人の7枚目のアルバムとなります。 今回はロシアの巨匠たち、ドミトリ・ショスタコーヴィチ、セルゲイ・ラフマニノフ、イーゴリ・ストラヴィンスキー、そしてアントン・アレンスキーによる2台ピアノのための作品が選ばれ、ロシア音楽の本質をその個性と音質とエネルギーでとらえようとしています。これらの作品はロシアの歴史における騒然とした一幕も思い起こさせます。ルーカスがこう語っています。「多くのロシア音楽ファンはロマンティックな部分に最高の魅力を感じるのかもしれませんが、常に別の側面も存在しています。不安や圧制の感覚は、音楽自体が楽しげに聞こえる時でも、ショスタコーヴィチの作品にたえず存在します。そしてラフマニノフの音楽が真の美しさを発する時、ノスタルジックな感覚に満たされます。それがロシア音楽の魔法です」。 ユッセン兄弟は『ロシアン・アルバム』のアイデアを長い間持ち続けていましたが、この音楽に集中する時間が十分取れるまで待つことに決めていました。そしてコロナの流行でコンサートがキャンセルになったことでこの音楽にきちんと向き合うチャンスが訪れたのです。「この音楽はあまりにパワフルで、身体的にも影響を及ぼします。3日間のレコーディングの後、僕たちは文字通り体に疲れと痛みを感じました」とアルトゥールがコメントしています。(輸入元情報)【収録情報】● ショスタコーヴィチ:2台のピアノのためのコンチェルティーノ イ短調 Op.94● ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲第2番 Op.17(序奏/ワルツ/ロマンス/タランテラ)● ストラヴィンスキー:2台のピアノのための協奏曲(Con moto/ノットゥルノ/4つの変奏曲/前奏曲とフーガ)● アレンスキー:組曲第2番『シルエット』 Op.23より第2曲『コケットな女』● アレンスキー:組曲第1番 Op.15より第2曲『ワルツ』 ルーカス&アルトゥール・ユッセン(ピアノ) 録音時期:2020年7月 録音場所:オランダ、ヒルフェルスム 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV