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ブルックナー:交響曲第4・5・7・8・9番(6CD)ギュンター・ヴァント&ベルリン・フィルハーモニードイツの巨匠、ギュンター・ヴァントが1996年から2001年にかけてベルリン・フィルを指揮して制作した一連のブルックナー・アルバムは、高水準な演奏内容もあって、晩年のヴァントの代表作とも目されています。 ヴァントとベルリン・フィルの演奏は、ひとつひとつの音を丹念に積み重ね、重層的な音の連なりを的確に処理したもので、そのたぐいまれなヴィルトゥオジティはベルリン・フィルならでは。轟然と響きわたるティンパニを核とした強烈なトゥッティの迫力や、存在感たっぷりの木管の独奏、馬力満点のブラス・セクションに、分厚い弦楽と、このオケの長所が存分に引き出されたサウンドにも圧倒的なものがあり、ヴァント自身が“世界最高のオーケストラ”と讃えていたのも十分に理解できます。 実際、ここに収録された演奏はどれも旧盤に較べてテンポが遅く、よりロマン的な表情が濃くなってきており、たとえばドライな印象の強かったケルン盤に較べれば、ベルリン・フィル盤でのディテールはかなり豊かな表情を湛えたものとなっています。緩徐楽章での濃密な雰囲気などその好例と言えますが、細かく検証すればフレーズの形はあくまでも端正であり、テンポの変動もごく僅かで、全体の整った印象が崩れることはまったくありません。何ともすごい演奏ですが、そこにはベルリン・フィルとしては異例と言ってよい長時間に及ぶリハーサルがあったことも見逃せません。 練習時間をたっぷりとることが可能だったドイツの放送オーケストラと長年仕事をしてきたヴァントにとっては、当然の条件でもあったのでしょうが、そうでなければいくらベルリン・フィルとヴァントの関係が良好と言っても、このようなサウンドにはならなかったと思われます。 聴衆の入った本番を収録したものでありながら音質優秀なこれらの録音は、編集の際にヴァントの意思も反映してベストなものが選ばれ、信頼度の高いものとなっているのもポイントです。(HMV)【収録予定曲】 ギュンター・ヴァント(指揮)Powered by HMV
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