ことばはほんの少しだけ、おまけに色もごらんの通り…それなのにこの絵本はいつまで見ていても、見飽きるということがありません。レオニの想像力と、それを支える描く技術、そのふたつとも基本的にはなんのてらいもない素朴なものです。浜辺の小石にいろいろなものの形をみるのは、子どもたちの得意とするところだし、鉛筆(多分)なら誰でももってる。しかし、単純なものから出発してレオニはなんという洗練の高みに達したことでしょう。なんという微妙な味わいをつくり出したことでしょう。これはもう、魔法としか言いようがありません。