なんで日本研究するの?
9人の日本研究者たちが「なんで日本研究するの?」という問いに答える。
第1部は「言葉の壁・方法論の谷・技術という橋」。
人文学研究における英語の有用性と、人文学研究者が英語という「言語の壁」を乗り越えるためのヒントが多数含まれる。
第2部は「エンパワーメントとしての知の創造」。
知の創造は、社会的弱者にとってのエンパワーメントになり得るのだ。
第3部「周辺的なものに光をあてる」は前近代日本の文化が決して現代社会と切り離されてはいないということを気づかせる。
第4部「日本とアメリカのあわいで」は、日本とアメリカのあわいに佇み、2つの文化と言語の間で揺れ動く自己について省察がふくまれる。
日米アカデミアの間にそびえる、言葉・文化・政治の壁を跳び越えるために。
オープンな対話の未来のために。
これからの日本研究のための重要な書。
バイリンガル(日本語・英語)出版。
執筆は、シュミット堀佐知、佐々木孝浩、日比嘉高、江口啓子、マーク・ブックマン、セツ・シゲマツ、末松美咲、クリストファー・ローウィ、ディラン・ミギー。
「日本研究の国境を超えた新しいフィールドが形成され、次の章が今まさに開かれようとしている。
意欲あるものはこの刺激的な瞬間に立ち会うべきである。
この本のなかにも多くの裂け目がある。
しかし、その裂け目からこそ、日本と日本をふくむ世界をリアルにとらえ直すまなざしが生み出されてくるのだ。
」(紅野謙介)