ゴッホ はたしてゴッホは感情のまま筆を動かしたのか (巨匠の手シリーズ)

ゴッホ―はたしてゴッホは感情のまま筆を動かしたのか (巨匠の手シリーズ) 視覚デザイン研究所 プロフィールの必読お願いいたします。 この本は、ゴッホの絵画技法を模写することで学ぶ本です。ゴッホがどんな絵具や筆やキャンバスを使って、どんな色彩や構図やタッチで絵を描いたかが詳しく解説されています。 『ひまわり』や『夜のカフェ』や『糸杉と二人の娘』など、有名な作品から部分的にもしくは全体的にも模写することができます。 P10では、ゴッホが色彩にこだわった理由が説明されています。写実的な明暗よりも、主観的な色彩を重視しました。彼は色彩そのものが価値だと考えました。 『調子と色彩を同時に出すことは不可能だ。北極とか赤道とに人は同時にはおれるものではない』 『どちらを取るか決意が必要だ。多分色彩だ』 p22では、使った絵の具の特徴が紹介されています。現在の絵の具よりも粘度が高く、弾力のある画面を作ることができました。ゴッホはルフラン社のメディウムを絵の具に混ぜて使いました。パレットナイフは絵の具を混ぜるために使いましたが、絵を描くときには使いませんでした。 p25では、荒目のキャンバスを好んで使ったことが説明されています。キャンバスの凹凸が絵に表情を与えました。ゴッホは太い筆よりも細い筆や軟毛の筆を多く使いました。ウェットインウェットという技法で、乾かないうちに絵の具を重ねて描きました。 p34では、素描で構図や色彩のプランを練ったことが紹介されています。キャンバスに向かうと、下描きせずにいきなり絵の具で描き始めました。 p56では、ゴッホが黄色や金色に魅了されたことが語られています。黄色は光や生命や希望を象徴する色でした。 p58では、赤と緑の対比を効果的に使ったことが示されています。赤と緑は補色であり、互いに引き立てあう効果があります。 p69では、混色した中間色を多用したことが解説されています。混色した色は純色よりも自然で豊かな印象を与えます。 p99では、点描を用いたことが紹介されています。点描は画面に動きや密度を表現する方法でした。スーラの点描とは違って、ゴッホの点描は同じ大きさではなく、変化に富んでいました。 この本は、ゴッホの絵画技法に興味のある人におすすめです。模写することで、ゴッホの絵画世界に触れることができます。 #本 #芸術　絵画