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一原有徳〖F(nro)2〗銅版画、1988年1/10部

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現代版画の鬼才一原有徳さんの銅版画です。 なんとも言えない自然を写しとる質感とカラー。 とてもオーラを感じる版画です。 額は白木で洗練された作品の雰囲気とマッチします。 サイズ…53.5cm×80cm 直筆サインあり。 【一原有徳プロフィール】 一原有徳は、1910(明治43)年徳島県に生まれ。幼少時に小樽に移住してから長く小樽を拠点に活動を続けた版画家で国内のみならず海外でも高い評価を受けています。  また、版画家以外に登山家や俳人としても多くの足跡を残しました。  若い頃から美術に関心があった一原有徳ですが、当時は画材を購入する経済的余裕がなかったため制作活動はできず、職場(小樽地方貯金局)の先輩である須田三代治の影響で札幌や小樽の展覧会を鑑賞するにとどまっていました。  戦後、須田三代治から油絵道具を贈られ油彩を始めた一原有徳は、油彩制作6年目のある日、パレット代わりに利用していた石版の上に偶然に残った図像に強くひかれ、その転写を試みます。  そこから、石版にインクを平たく一様に塗り、その表面を自在に引っかき削り取っていく方法を追求した結果、これまで誰も見いだしたことのない冷たいメカニックな質感と暗闇に満ちた世界が現れました。 このモノタイプと呼ばれる技法が他の美術家たちの注目を集めるところとなり50歳の異色版画家としてデビュー。  遅咲きのデビューに加え、登山中の遭難事故やプレス機に指をはさむ事故などにも見舞われた一原有徳でしたがその制作意欲は衰えるところを知らず、高齢となってからも独創的な腐食版・紙以外の版画・オブジェなど新しい表現に次々と挑戦。 2010(平成22)年10月、100歳の生涯を閉じました。
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