ブルックナー
交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ニコラウス・アーノンクール(指揮)
録音:1994年[デジタル]
アーノンクールはブルックナーの交響曲を6曲(第3.4.5.7.8.9番)を録音していますが、この第3番は、アーノンクール最初のブルックナー録音です。版はノーヴァク版の第2稿(旧エーザー版からの推敲)を使用。時に聴きなれない木管楽器の不協和音や、意味深い伴奏の音型がクローズアップされるときもありますが、全体には奇妙な響きというよりは、安心して聴けるブルックナーに仕上がっています。アーノンクールのスコア・リーディングの深さ、綿密さというものが如実に現われたおり、無駄な贅肉をそぎ落とした筋肉質な演奏になっていますが、コンセルトヘボウ管の響きそのものも大変充実しています。ファースト・チョイスではないかもしれませんが、2番手3番手として手元に置く価値は十分にある演奏です。
ピリオドの巨匠、アーノンクールで聴くのだけれど、特別、時代掛かったような素振りは見せず、アーノンクールらしい、息衝く音楽が繰り出されて、ブルックナー同様、自らの音楽性を貫き、おもしろい音楽像を生み出している。ブルックナーも際立って癖のある作曲家だけれど、その音楽をまた癖のある指揮者が振ることで、独特なインパクトが生まれるのか... ドイツ・ロマン主義のストイックなあたりが、何となしに色彩的に捉えられ、場合によっては表現主義的にすら展開してしまうアーノンクールの力技。すると、交響曲全体に、何か蠢くような感覚が広がり、そこに不思議な濃密さ、パワーが感じられ、気が付くと惹き込まれている。ちょっとマジカル... そんなアーノンクールに、しっかりと応えるロイヤル・コンセルトヘボウ管。クリアに響かせながらも、ひとつひとつの楽器が個性を主張するようなところがあって... こういうあたりに、ピリオドっぽさを見なくもないか... だからこそ、アーノンクールらしさが浮き立ち映える。
輸入盤【廃盤】【希少盤】
盤面薄いすれありますが再生問題無し 8
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