「トイレと文化」考―はばかりながら　スチュアート・ヘンリ

「トイレと文化」考―はばかりながら スチュアート・ヘンリ【著】 文春文庫　1993 排泄物や排泄行為への対し方は、その文化によってさまざまである。他人と並んで楽しく行うやり方もあれば、絶対に見られまいとする人たちもいる。そもそもなぜ人類は拭くようになったか、からトイレの歴史、糞尿の利用法など人とこの排出物の長いつきあいを愉快で意外なエピソードを交え、ウンチクをかたむけて考察する。 目次 文明と文化について 排泄行為と羞恥心について 清潔感について お尻を拭く話 極寒の世界で トイレの変遷 石の文化とトイレ 糞尿の利用法 "清潔・不潔は多くの場合その民族・国民の衛生観念によって決まるものであり、それに対して、もっと観念的で宗教的な信仰と深くかかわっているのが浄・不浄といえよう"1993年発刊の本書は、文化とは【物資と技術だけでないこと】前提を疑うべき事をトイレや排泄の歴史や事例で教えてくれる。 自分たちの民族と文化を中心に他の民族を下位に位置付ける考え方【エスノセントリズム】に対して、進んだ文化や遅れた文化があるのではなく、それぞれの民族が住んでいる『環境に適応した歴史観で形成された異なる文化が在るだけ』だとする【文化相対論】の視線で紹介される世界各地の排泄行為や羞恥心、清潔感やお尻の拭き方、トイレの変遷、糞尿の利用法は本当に様々で雑学的に単純に面白かった。 人間の当たり前の生理現象である排便ですが、これをここまで詳細に、歴史をひもといている本は珍しいと思います。 大昔日本に来た外国人が、日本を清潔である、と評した記録が多数ありますが、これは日本が当時世界でもまれな、「クソまみれ」となっていない都市だった事によることなど、驚きの連続でした。 パリやロンドンの歩道がクソまみれであったために女性用のハイヒールが発明されたとか、2階から汚物を投げ捨てていたことなど、現在の西洋人が決して自ら明かさない歴史に抱腹絶倒です。（レビューより） ビニールカバー付 全体的にヤケが見られますが書き込みはありません。 #社会史 #トイレ #スカトロジー #清潔 #本 #BOOK #思い出本屋 #思い出本屋西洋 #思い出本屋西洋史 #思い出本屋西洋文化 #思い出本屋民俗学 #思い出本屋生活 #思い出本屋宗教 #思い出本屋笑