〈解説文は全て独自で書いております。無断使用はご遠慮下さい。〉
★1977年重版。紙カバー付き。
★カバー=表面にスレ傷汚れ、天にヤケ、ヨレ有り
★本体=三方に経年ヤケ、シミ汚れ有り。
本文内246.247.248ページ下部に薄い
シミ汚れ有り。
★★上記以外は、本文内大きなシミ汚れ等なく、製本も堅牢で、ご愛読に支障は御座いません。★★
大変レトロな装丁、扉絵や挿絵の数々で、昭和書籍にご興味のある方にはお楽しみ満載の古書です。
小デューマ、父はあの「三銃士」で世界的な作家となった大デューマです。冒険活劇大得意の父に比べて、女性的な心情を描くことの上手い小デューマ。全くタイプの違う父と息子だったようです。
昔のパリの夜会の優雅なこと!貴婦人を派手にした装いで、パリの社交界の女王と呼ばれた美しい椿姫マルグリットは、元は貧しい田舎の娘。生活のために身を落としたとなっています。
椿姫は金持ち貴族からの貢物で生計を立て、豪遊する毎日。そこへ現れたのが世間知らずのお坊ちゃん、アルマン様です。
この男、余りに人の苦労を察する能力が無く、経済力も無く、とても大人とは思えない。兎に角、椿姫が大好き、というだけで椿姫を引退させて田舎で同棲生活を営むとんでもない奴です。
おまけに、結婚をちらつかせ(というか、本人は結婚するつもり)た挙句、アルマンの親父様登場!
アルマンには内緒で、アルマンとも上手くいかなくなるし、アルマン妹の婚儀に遊女の身内は困る、とか、椿姫に身を引くよう諭しまくります。
過去に手に入れた家や宝石を売り払って田舎家を買い、同棲資金を調達する為に身ぐるみ剥がれた椿姫。
アルマンに心にもない別れの手紙を書き、たったの1通で丸呑みに信じ込んだ阿呆男と別れてしまうのでした。
初読時、アルマンの阿呆め!自分の親父がどう動くかぐらい推察しろ!田舎に家買って収入ゼロで暮らすコストを考えてよ!などなど、怒りに打ち震えてロマンスを全然味わえなかったのを思い出します。
トドメが椿姫肺病で没、です。椿姫は世間を知ってる筈なのに、ひねたおばさんとなった今も、何故こんな結末に?と不納得なお話でした。
古い本です。状態は、上記★書きと画像よりご判断下さい。
古い本にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。