「道程 高村光太郎」
(新撰 名著復刻全集 近代文学館)
高村光太郎による第一詩集。
1914年(大正3)10月、抒情詩(じょじょうし)社から刊行されたものの復刻版です。
1910年(明治43)の「失はれたるモナ・リザ」から14年の「秋の祈」までの、『スバル』『朱欒(ざんぼあ)』『白樺(しらかば)』『創作』などに発表されたものです。
後年、光太郎自身がこの詩集『道程』について述べている文章によると、
「『道程』の構成がいはゆる詩集のやうでなくて、むしろ一つの雑綴のやうであるといふ人もあるが、その通りである。
当時私は世人のいふ詩集といふ特殊観念に鼻もちがならず、(詩集にガラスの宝石をちりばめるといったやうな観念だ。)ただ製作順に自己の詩を並べて、注意深い読者におのづから筆者内面のエヴォリュウションを見てもらはうとしたのである。
それ故、装幀も無装飾、まるで違ったカテゴリイに属する詩篇も平気で並べたのである。」(「某月某日」昭和16年の戦後の加筆)
とあります。
無作為に時系列的に並べた、というような文章ですが、その時系列こそが光太郎の意図したことだという見方もあります。
『道程』に収められた作品群は大きく分けて、前半・後半としてその性格が大きく異なり、前半は享楽と頽廃の世界における自意識の混迷と焦燥を、後半はそこから脱出した生の充実感を力強くうたった作品と評価されています。
この変化には、のちに『智恵子抄』というもう一つの代表作に名を据えられることとなる長沼智恵子との出会いという転機が関係しており、まさに高村光太郎という作家の「道程」が表出した詩集となっているのです。
《高村光太郎が至った生の決意への「道程」を当時の装丁(の復刻版)で、ぜひ目撃してください。》
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