「誕生日には恐竜のうんちを」
映画「ジュラシックパーク」を観たのは、小学校2年生のときだった。
それまで図鑑などの絵でしか見たことがなかった恐竜たちが暴れ回る姿を目の当たりにして、私はとんでもない衝撃を受けた。
そして、思った。
──恐竜のうんちを見てみたい。
小学校低学年といえば、「うんち」とか「おしり」とか「き〇たま」などに、やたらに興味を示す年頃だ。しかも私は、映画を観る前から恐竜好きだった。
恐竜のうんちはどんなものなのか、私の好奇心は、破裂する寸前の風船のごとく膨れ上がった。
とはいえ、恐竜は、6600万年前に起きた巨大隕石の衝突が原因で、ほぼ絶滅したといわれている。そんな大昔のうんちを見るなど叶わぬ夢だと、幼い私はあきらめた。
ところが、その数年後──。うんちは、化石になって残っていることを知った。
誕生日にねだると、両親は、石ころのような小さな化石をプレゼントしてくれた。
私が想像していたような、とぐろを巻いた巨大な塊ではなかったが、それを手にしたとき、私の思いは、恐竜が生きていた気の遠くなるような昔に飛んだ。
岩のようなうんちを、大きな尻からひねり出す恐竜の姿が見えたような気がした。
●恐竜好きのお子様へのプレゼントに最適です。
●化石の中の赤い斑点は、採掘者によると、恐竜が食べた動物の骨だったのではないかといわれています。