ヴェルディ 歌劇「スティッフェリオ」日本語字幕つき　全曲DVD

19世紀のオーストリア、ザルツブルク近郊の熱心なプロテスタントの牧師、スティッフェリオが主人公（テノール）です。彼は教区の尊敬を一身に集める人望の厚い人間でしたが、布教の旅から戻った後、妻の不倫を知って苦悶し‥‥という心理劇です。発表当時は検閲による介入があったりしてあまりヒットせず、のちにヴェルディ 自身によって「アロルド」と改題され、「スティッフェリオ」自体は100年以上も台本が行方不明になっていたという、いわくつきの問題作です。カトリックのヴェルディ がプロテスタントの牧師を扱っているわけですが、実は堕落したカトリックを暗に批判しているのかも、と何かで読みました。 あまり上演されることのない作品ですが、これの翌年にはリゴレット、3年後にはイル・トロヴァトーレ と椿姫、と立て続けに傑作を発表しており、すでにヴェルディ の実力も充分。一度耳になじむと重唱など素晴らしく、何度も聴きたくなる魅力が詰まっていると思います。 また、昼メロ的というか、陳腐な不倫や三角関係といった筋立ても、いまの我々には比較的とっつきやすいのではないでしょうか。 この映像は、2018年の第37回「フランコ・アッビアーティ」音楽評論家賞、特別賞を受賞しています。テノールは注目のルチアーノ・ガンチ。ソプラノのマリア・カッツァラーヴァも初めて聞きましたが大変良かったです。 このオペラを見て、何でこんなに上演されないんだ、と感じたという日本語の呟きを時々目にしますが、キリスト教徒の多い国では難しいのかも。 ずっと立ったままの観客が取り巻く中で舞台が進行する、合唱メンバーやカメラマンが観客の間を動き回っている、聖書の禁じる同性愛も演出で取り上げており、そこここで寸劇が繰り広げられる‥‥この実にユニークな演出はたいへん前衛的で、次に何が起こるかと目が離せず、一見の価値ありだと思います。歌劇場でオペラを見る、という概念そのものがひっくり返されるような演出でした。 因みにこちらは新品で購入しましたが、入手困難品でもあります。 なお、一度人の手に渡った品物ですので「目立った傷や汚れなし」としていますが、盤面は新品同様かと思います。 喫煙者、ペットなしです。また他にもオペラのDVDを出品しています。よろしくお願い致します。 #ヴェルディ 歌劇　#スティッフェリオ #ルチアーノ・ガンチ　#歌劇アロルド