手塚治虫「MW ムウ①②」小学館文庫
299ページ
出版社: 小学館
サイズ: 15.2 x 10.6 x 2 cm
MW(ムウ) (1) (小学館文庫)①2009/7/21第29刷。②2009/7/21第27刷
手塚 治虫 (著)
「MW」を全世界にばらまくため、次々と罪を重ねてゆく男と、それを阻止しようとする神父。愛し合いながらも、彼らは闘わねばならない。
●①巻あらすじ
息子を誘拐され、身代金を持ってきた中年男が、誘拐犯にアジトへと連れ去られてゆく。そこでは、中年男の息子はすでに殺されており、怒り心頭の中年男も殺害されてしまう。誘拐犯の名は結城美知夫、そして殺された中年男は、銀行員である彼の客だったのだ。その後、結城は教会へ立ち寄り懺悔をする。彼の話を聞く神父の賀来は、結城とは古い仲であり、結城に悪行をやめさせようとしてはいるが、悪魔的な結城の魅力の前に屈服させられてしまう。▼賀来は教会の司教に、15年前に沖ノ真船島で起きた出来事を告白する。彼はかつて非行少年グループの一員としてその島に入り、島民へ暴行を働いていた。そこで彼が、まだ幼い結城に出会ったその日、彼の仲間や島民たちは、某国が開発した「MW」という毒ガスの事故で死んでしまう。賀来と結城は、洞窟内のアジトにいたため助かったのだ。しかし幼なかった結城は、まだ残っていたMWに脳を犯され、良心のまったくない人間へと変わり果てていた。賀来はそんな結城を救うため、神父となったのであった。
●②巻あらすじ
16年前の「MW」事件を告白しようと、日本新聞社を訪ねた賀来。彼はそこで社会部記者の青畑に会い、一部始終をぶちまける。青畑は賀来に協力を約束し、沖ノ真船島で調査を行なった結果、「MW」は現在東京近くの駐留軍基地にあることを突き止める。それを知って愕然とする賀来だったが、そこに「結城が倒れた」との知らせが入り、彼は教会を飛び出して結城の勤める銀行へ向かう。▼結城は薬物中毒のような症状、すなわち「MW」の後遺症で倒れていた。結城は救急車で病院に運ばれ、賀来は病室の外で結城の容体を気遣うが、そこに政治家・中田英覚の娘が現われる。彼女は何と、すでに結城と婚約していたのだ。
●【書籍のコンディション】帯は①巻のみついています。①②巻ともカバーのうら表紙に少々光線でわかる程度の擦れありますが、内容誌面はきれいです。