「死の演出者」
訳者:石田 善彦
あなたの料金を聞かせて。
暇を持て余すわたしに、ひさしぶりに依頼が舞いこんだ。
殺人罪に問われた娘婿を助けてほしいという。
母親の横柄な態度にはうんざりしたが、夫の無実をひたむきに信じるその娘に心をうたれ、わたしは調査を始めた。
だが、関係者の証言は夫の立場に不利に働き、やがてわたし自身も事件の裏に潜む陰謀の渦中に。
探偵サムスンの寡黙な知性が醜怪な人間性を暴きだす、人気シリーズ第二弾!
改訳決定版❣️
リューイン作品で主に探偵役を務めるのは、彼が幼少を過ごしたインディアナポリスで探偵事務所を開いている私立探偵のアルバート・サムスン。
彼は従来のハードボイルド探偵に数多く見受けられるような飲んだくれでもなければタフガイでもなく、武器も持たず暴力に訴えることもない、いたって常識的な探偵。
そして扱う事件も暗黒街のギャングの犯罪などではなく、一般市民の犯罪を描いたものばかりであり、また作品では必ずといっていい程子供が事件に絡んできますが、それと同時にミステリとしての重要な要素の一つである謎解きや意外性の面白さも持ち合わせている所に大きな特徴が・・
この点このシリーズは社会性を深く掘り下げた内容のためか作品数は決して多くありませんが、どれも水準以上の出来栄えだと評論家からも高く評価。
第一作『A型の女』に続くサムスン物第二弾♪
当時のアメリカ(ベトナム戦争の泥沼が終わり社会不安も高まっていた時代)の世相を背景にサムスンが依頼を受け、曲がりなりにも“真実”を炙り出すという中身なのです♪
この作品、結構、読者諸氏の“毀誉褒貶”が激しく、作品の評価が分かれることとなりました♪
お読みいただければご納得いただけるかと♪
(なんじゃ、それは)とはおっしゃらずに♪
なんだかんだと言っても、仕事の依頼料は市内で一番安いことを誇る“天邪鬼”ぶりも面白さを倍加させているとワタクシは思うのですが・・♪
古書レベルとしての状態は、カバーにヨレ、スレがありますが、本自体の状態は極めて良好かと♪