1918年11月は、4年以上におよぶ膠着状態で多くの犠牲者を出してしまった第一次大戦がついに休戦協定を迎えた月。2014年から欧州各地で展開がみられた第一次大戦前後の芸術を再検討するプロジェクト「1914-1918」にとくに熱心だったのは、ドイツ対フランスの戦役のさなか国土荒廃にさらされたベルギーでした。企画の最終年を飾るにふさわしく「大戦期間中のベルギー」に着目、20世紀初頭までに欧州随一の文化大国となっていたはずの自国が大いに荒れてゆくのを横目に、たくましく人々の心に潤いをもたらしつづけた音楽家たちの偉業を世に問うアルバムを制作。
ワルツやラグなど「ジャズ前夜」のヨーロピアン・サウンドを艶やかに、本場奏者ならではの共感とともに甦らせてゆきます。
【曲目】
1.ラウウェレインス:ホリデイズ(休暇)~アメリカ風行進曲(1914)
2.ラウウェレインス:恋の季節だ(『春のバレエ』より)~ヴァルス・ラント(1919)
3.パーンス:褐色のワルツ~ヴァルス・ラント(1914)
4.アッケルマンス:大幻想曲「不可解な魅力」作品160~同題のオペレッタによる(1917)
5.エーへリクス&マイ:ラ・カノネット(砲手女子)~舞曲(1915)
6.エーヘリクス:ジープ男爵殿~笑劇歌(1917)
7.アッケルマンス:大幻想曲「女性弁護士」作品92~同題のオペレッタによる(1917)
8.シルー2世:いとも麗しき参政権~ニュー・ラグタイム
9.アッケルマンス:ラ・サボティーヌ(オペレッタ『不可解な魅力』より)~当世風刺歌(1917)
10.パーンス:それは在りし日のワルツ~ヴァルス・ラント(1917)
11.ラウウェレインス:エル・オペラ・タンゴ~タンゴ(1914)
12.キャリル:幻想曲「ザ・ピンク・レディ」~同題のオペレッタによる(1911)
13.アッケルマンス:魔法のカブリオレ(軽馬車)~個性的小品
ギヨーム・ルクー -Guillaume Lekeu (1870-1894)
リュシアン・デュロゾワール Lucien Durosoir (1878-1955)
アルベール・ルーセル Albert Roussel (1869-1937)
シャルル・ケクラン Charles Koechlin (1867-1950)と対比して聴くと面白いと思う。
※こちらのCDは輸入盤です。