カミュ全集2 異邦人/シューシュポスの神話
アルベール・カミュ(中村光夫・清水徹訳)
定価:1,500円
新潮社
発行:1972年10月5日
5刷:1976年11月10日
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1970年代発行の中古本です。
■状態■
・函・帯/ヤケ、汚れ、傷み
・カバー表/上部に傷み
・カバー背/上部に傷み
・カバー裏/きれい
・表紙/きれい
・背表紙/きれい
・裏表紙/きれい
※表紙裏/表紙の内側に、
折りたたんだカバーの端をセロテープで留めた跡あり
・本体/
ヤケ:全体的にごく浅いヤケあり
ヨレ:なし
スレ:なし
折り目:なし
書き込み:なし
☆「ゆうパケットポスト」にて発送いたします。
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本全集第二巻は、一九四〇年から一九四三年にいたるカミュの全作品を収録したものである。
この時期のカミュにおいてもっとも重要なできごとは、ナチによるフランスの占領と、『異邦人』の素晴らしい成功で一躍かれが本国の文壇にその存在を知られたことである。もっともその反面、この時期のカミュは、文字通り太陽を奪われた不幸な生活を数多く体験している。一九四〇年の春には、かれの新聞であった「ソワール・レピュブリカン」も当局のたびかさなる弾圧でついに廃刊のやむなきにいたり、かれはなかば追放者としてアルジェを追われ、フランス本土の土を踏んでいる。が、間もなくフランスは戦いに敗れ、かれ自身も逃避行を重ね、リヨンで再婚しオランに帰ったのも束の間、結核の再発は、中部フランス山岳地帯での孤独な療養生活をかれに余儀なくさせた。もっとも仕事の上では、この時期の不幸な体験は、たとえば『誤解』や『ペスト』のように、むしろこれ以後のかれの作品に結実していくことになるだろう。
この時期に発表された主要な作品は、いずれもその発想をすでにアルジェリア期に負っている。たとえば『異邦人』は一九三七、八年にその起源を見ることができ、かれが本土に渡ったころにはほとんど完成をみていたし、『シシュポスの神話』も、その発想は一九三七年にさかのぼることができる。これら二つの作品を、のちにカミュはすでにほぼ完成をみていた『カリギュラ』や、こののちの『誤解』とともに≪不条理≫の系列に入れているが(以下略) 「解題」 高畠正明より