ベートーヴェン
① ピアノ・ソナタ 第11 番 変ロ長調作品22
②自作の主題による6つの変奏曲 ヘ長調 作品34
③ピアノ・ソナタ 第21番ハ長調作品53「ワルトシュタイン」
エリック・ハイドシェック(ピアノ)
録音:1992年6-7月/パリ、サル・アディヤール
ライナー解説:宇野功芳氏
「音楽的、芸術的な歓びはまさに比類がない。既発売の「テンペスト」や「三大ソナタ」とは違って、同じベートーヴェンでもここにはハイドシェックのモーツァルト弾きとしての資質や才能が全開、凄みよりはセンスある語り、閃き、鋭いアクセント、テンポの自由な変化、おどろくほど生きた走句の弾き方などによって、あらゆる楽想が魂を得て羽ばたき始めた感がある。」
ハイドシェックは大胆かつ融通無碍なアゴーギクと豪快な打鍵で、単調な直線的表現に陥り易い楽章から、生命力溢れる陰影濃い多彩な表情を引き出している。第1主題の天空駆け巡る天馬の重厚かつ雄渾な驀進!グッとテンポ・ダウンする第2主題の天馬急降下降臨での荒々しくも神々しい雄姿!意表突く渾身のアドリブも加勢し、空前絶後の豊饒な第1章!第2楽章は楽想の通りややおとなしいが、第3楽章では、再び壮大な規模と咽返るほど濃厚な浪漫が横溢する。クセの強い演奏ですが、面白いこと、この上なし。
ベートーヴェンの創造力の火がメラメラと燃え盛る時期の、堂々たる産物を再創造する名演に目を瞠る。ワルトシュタイン・ソナタの放つ並みでないエネルギー量の所以を垣間見ると同時に、自由溌剌なハイドシェックの解釈にあらためて納得するのである。
得意の6つの変奏曲作品34がまた素晴らしい。この作品の新機軸は主題の調性も変える、すなわち「調性の変奏」というところにある。主題がヘ長調であるのに対して、第1変奏はニ長調、第2変奏は変ロ長調、第3変奏はト長調、第4変奏は変ホ長調、第5変奏はハ短調、と3度ずつ下降していく。そして第6変奏で主調が回復し、そのまま「コーダ」と記された最後の部分に入り、そこで主題が一度、原型で回想される。
初期国内盤【廃盤】帯付き、盤面傷無し 17
まずまずの美品です
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