モーツァルト
①セレナード第13番ト長調 K.525『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』
②歌劇『劇場支配人』序曲 K.486
③歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』序曲 K.588
④歌劇『フィガロの結婚』序曲 K.492
⑤歌劇『魔笛』序曲 K.620
⑥フリーメーソンのための葬送音楽 K.477
指揮:ブルーノ・ワルター
コロンビア交響楽団
録音:1958年①、1961年②~⑥ ハリウッド
ステレオ(アナログ/セッション)
ワルターが至高の境地に到達した、最晩年のモーツァルト作品集。
20世紀を代表する大指揮者ブルーノ・ワルターが、その最晩年に録音したモーツァルト作品集(序曲4曲は文字通り生涯最後の録音)。ロマンティックな演奏ながら現代においても少しも古びたところを感じさせないのは、その高い音楽性と豊かな創造性のゆえでしょう。天才作曲家の美しい魂の歌が、人間ワルターの慈愛に満ちた、たおやかな表現で綴られてゆくさまは、まさに至高の世界に触れるかのようです。
ワルターらしい心のこもった愛に満ちたモーツァルトが聴けます。選曲も凝縮されていていいです。ワルターの芯のある品格にあふれた音楽が満喫できます。セレナードK.525は、隅々まで気を配った澄み切った演奏。序曲他は、ワルターが亡くなる前年の収録で、ゆったりと屈託のない演奏で、ウイーン国立歌劇場やメトロポリタン歌劇場で感ずるようなオペラの雰囲気が出ています。ゆったりとした流れるような、しかし決めるところはしっかりと決めた、納得のワルター流の演奏。
「アイネ・クライネ」は、親密でいて人懐っこさと共に切れ味も鋭く、若々しい演奏。「劇場支配人」は透明度のある響きと一貫した強い活力がみなぎっており、素晴らしいのひとこと。「コシ・ファン・トゥッテ」は開放感ある音作りが印象的で情景が目に浮かぶよう。「フィガロの結婚」は慌てず、急ぐことなく細部にこだわりながらもスケールの大きい表現で磨き抜かれた演奏。「魔笛」は壮麗でいてドラマティックさがまことに立派で一大シンフォニーを聴いているかのよう。フリーメイソンのための葬送音楽は深い呼吸感で悲哀はもちろん、厳しさのもと引き締まった演奏でこのアルバムは締め括られる。
初期輸入盤、盤面傷無し
ライナー爪噛み痕少しあり
*まとめ買い値引き致します(要事前コメント)