ショスタコーヴィチ:ステパン・ラージンの処刑、我が祖国に太陽は輝く、森の歌
パーヴォ・ヤルヴィ&エストニア国立交響楽団
CDや映像作品がリリースされるごとに話題となるパーヴォ・ヤルヴィは、ショスタコーヴィチでも高水準な演奏を聴かせてきました。シンシナティ響と交響曲第10番、フランクフルト放送響とピアノ協奏曲集とチェロ協奏曲第1番を録音したほか、近々ロシア・ナショナル管との交響曲第7番『レニングラード』も発売されることが決定するなど盛り上がっていたところに今回のリリース情報、しかも初の声楽作品です。
ヤルヴィはソ連時代のエストニアに1962年に誕生し、生地タリンで学んだのち渡米してカーティス音楽院で指揮を習得、アメリカ国籍も得て世界的に活躍する実力派スター指揮者。
今回、スターリン礼賛でも名高い親しみやすく迫力あるカンタータ『森の歌』や『我が祖国に太陽は輝く』、そしてロマノフ王朝に楯突く盗賊団の首領の両手両足を切断し、頭を切り落として処刑するというシニカルで凄味のある『ステパン・ラージンの処刑』を演奏するのは、EUの一員として今やすっかり西側化したヤルヴィの祖国エストアニアのオーケストラとコーラスです。
かつてソ連政府のプロパガンダ音楽として受容された『森の歌』という視点にこだわることなく、ヤルヴィは音楽としての価値、面白さを追求し、昂揚感のある合唱作品として改めて作品の魅力を呈示しているかのようです。なお、ヴァージョンはヤルヴィの生年と同じ1962年に改訂された一般的な改訂版を用いています。
【収録情報】
ショスタコーヴィチ:
● カンタータ(バラード)『ステパン・ラージンの処刑』 Op.119
● カンタータ『我が祖国に太陽は輝く』 Op.90
● オラトリオ『森の歌』 Op.81
コンスタンティン・アンドレイエフ(テノール)
アレクセイ・タノヴィツキ(バス)
エストニア・コンサート合唱団
ナルヴァ少年合唱団
エストニア国立交響楽団
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
録音時期:2012年4月18-20日
録音場所:エストニア・コンサート・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)