『サンタ・サングレ(聖なる血)』
"Santa Sangre"
('89イタリア・メキシコ)
鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督が放った衝撃のサイコサスペンス・ロマン!
『エル・トポ』と『ホーリー・マウンテン』でカルト映画界にその名を轟かせたホドロフスキー監督が、"初めて商業映画を意識した"作品と言われているそうですが、ストーリーがわかりやすくなっただけで、その鮮烈なビジュアルと観る者の心を鷲掴みにする強烈な心理体験はむしろ前2作を凌ぐ大傑作です。
メキシコで実際に起こった事件をもとに、ヒッチコックの『サイコ』を中南米の怪しい貧民窟に舞台を移し、ホドロフスキー流に超訳。精神病院、サーカス、カルト宗教、娼館、見世物小屋といった舞台で繰り広げられる主人公の体験は葛藤と狂気に満ち、現実と幻の境目が観ているこちらも危うくなります。血腥いシーンもありますがそれを覆うノスタルジーと哀愁、ホドロフスキーの作品中最もせつない傑作です!
アンソニー・パーキンスというよりはアラン・パーカーの『バーディ』を、あるいはキリストを想わせる主役フェニックスを演じるのは、監督の実子アクセルと(子役は)アダン・ホドロフスキー。少女アルマにサブリナ・デニソン、父親オルゴをガイ・ストックウェル(ディーン・ストックウェルの実兄!)、母親コンチャをブランカ・ゲラが演じる。
そして音楽が最高!ペレス・プラードの疾走感溢れるマンボからラテンサイケなべサメ・ムーチョ。古き良きフォルクローレ"No Volvere"の刹那い響きに涙が止まりません。
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サーカスの団長の息子フェニックスは繊細で感受性豊かな少年だった。父オルゴは浮気性でサディスト、母コンチャは狂信的宗教の信奉者だった。彼は刺青の女が連れてきた聾唖の少女アルマにほのかに好意を寄せていた。
ある夜、オルゴの浮気現場を目撃したコンチャはオルゴの下腹部に硫酸をかけた。激高したオルゴはコンチャの両腕を切り落とし、自分も喉をかき切って自殺。その一部始終を目撃していたフェニックスは精神に異常をきたし、入院する・・・・
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レンタル落ちDVDです。
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