金子光晴・草野心平・阪田寛夫・小熊秀雄詩集

①金子光晴詩集－青春の詩集/日本篇19　中島可一郎編　白凰社　1989年新装版第6刷　 金子光晴(1895-1975)は、渡欧して西洋の詩を研究し、詩集『こがね虫』(1923年)を刊行。その後世界を放浪して無国籍者の視野を獲得、詩人として大きく飛躍した。帰国してフランスの象徴派や高踏派を消化した華麗な作風で日本の風俗や家族制度，天皇中心の権力支配，戦争を痛烈に否定した抵抗詩集『鮫』(1937)で戦争を批判的に描き、現代を代表する詩集といわれている。反権力、反戦・反骨の詩を多く残した。戦後は、ひそかに書き続けた『落下傘』(1948)『蛾』 (1953) ほかを発表。旺盛な詩活動を続けて詩壇に重きをなした。 カバーにややヨゴレがあります。 ②草野心平詩集　入沢康夫編　岩波文庫　2003年第5刷 草野心平(1903-1988)は、1928年に『第百階級』を刊行。1935年に詩誌『歴程』に参加。戦後、復刊して宮沢賢治、八木重吉、村山槐多らの詩人を育てた。独自の生命感・宇宙観をもつ詩に特徴があり、「蛙の詩人」と俗に言われるほどに、生涯にわたって蛙をテーマとした詩を書き続けた。また、「富士山」についても生涯にわたって追い求めた。アナーキズムの傾向が強く、また擬声語を駆使したフォービスム的詩風に特色がある。 本体ににややヤケがあります。 ③阪田寛夫詩集　ハルキ文庫　2004年初版 阪田寛夫(1925-2005)は、詩人、小説家、児童文学作家。 作曲家の大中恩は従兄弟、詩人・作家の内藤啓子は長女。女優で宝塚歌劇団の元男役トップ大浦みずきは次女。童謡に「サッちゃん」「おなかのへるうた」など。豊饒なことばの宇宙を美しい日本語のリズムに乗せて人間の優しさと寂しさを、世界の本質を鮮やかに提示する。 カバー背にヤケがあります。 ④小熊秀雄詩集　岩波文庫　2007年第7刷 小熊秀雄(1901-1940)は、。1935年に「小熊秀雄詩集」長編叙事詩集『飛ぶ橇』で詩人としての地位を確立、自由や理想を奔放に歌い上げる作風で、詩壇に新風を吹き込んだ。詩作にとどまらず、童話・評論・絵画など幅広い分野で活躍し、旭太郎名義で原作を担当した漫画『火星探険』(1940年)はSF漫画の先駆的傑作とされ、手塚治虫、小松左京、筒井康隆、松本零士らに大きな影響を与えた。 おおむねきれいな状態です。