ドビュッシー
①前奏曲集第1巻
②喜びの島
マウリツィオ・ポリーニ(P)
1998年デジタル録音
練習曲集から6年の歳月を経て録音された、ドビュッシー第2弾として注目されるディスクです。イタリア人によるドビュッシーの前奏曲集としては(パリジャンに同化してしまったチッコリーニは除く)ミケランジェリの徹底した音響練磨の上に成立した幽玄な世界や、チアーニによる卓抜な技術と残響効果を巧みに用いながらもシャープな表現といった演奏が思い起こされますが、今回のポリーニの演奏も実にみごとなもので、安易なペダル効果に頼らず、曖昧な表情や余計な詩情を一切排し、極めて明晰なドビュッシー像を提示しています。タッチが1音1音非常に克明なため、通常の演奏では分かりにくかった和声の音価や、ドビュッシーの音楽がもつシンプルな構成も明らかにされ、あらためてポリーニ流再構築の姿勢の面白さが確認可能です。従来の《前奏曲集》の捉え方とは大きく異なる、興味深いアルバムの登場です。組み合わせは《喜びの島》。こちらも見事な仕上がりです。
これぞドビュッシー、これぞ印象派である。直接的な表現を避けたドビュッシーの巧みな情景描写を見事に引き立てている。透徹したピアノの音と、一切曖昧さを残さない解釈に裏打ちされた、「完璧」ともいえる演奏だと思う。
久しぶりに聴いた名演!ゆったりとしたドビュッシーの夜の音楽に出会えたのは本当に久しぶりでした。“西風の見たもの”では思わずポリーニの唸りを上げる声まで聞こえてしまいますが、他の曲ではドビュッシーのゆったりとした深さに出会うことができました。
若きエネルギーを失ったヴィルトーゾは、エネルギーでない輝きを放つ曲を探し始める。それがこのドビュッシーでありディアベッリ変奏曲なのだと僕は思う。ドビュッシー演奏というとすぐにギーゼキングの演奏が思い浮かぶ。しかしながらこの演奏はギーゼキングの何万倍も深い輝きと精神性に満ちて聴こえる。それはポリーニが自ら演奏すべきものを妥協なく選び、到達したものだからなのだと思う。
輸入盤、盤面傷無し 10
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