モーツァルト
①クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622
②クラリネット五重奏曲イ長調 K.581
ディヴィッド・シフリン(クラリネット)
指揮:ジェラード・シュワルツ
モーストリー・モーツァルト管弦楽団 ①
ノースウェスト・チェンバーミュージック ②
録音:1984年
音楽評論家:宇野功芳氏
「シフリンのクラリネットは基本的にロマンティックだが、適度に抑制が効き、まずは理想的なモーツァルトということが出来よう。しっとりとしてデリケートな色合い、上品で滑らかな柔らかさを主体としながら、そこに即興的な強弱やテンポの動きを加え、自在に音楽を奏でてゆく。テクニックは絶妙だか、それが決して鼻につかず、のびのびと呼吸するフレーズや、時折の音色の輝かせ方、耽美的な表情、わけても低域の鳴らし方の面白さは他に類例を見ない。それはシフリンのために作られた特別な楽器を使っているからである。シュワルツの指揮も第一級の伴奏ぶりで、モーツァルトの神髄を突いている。」
シフリンが演奏しているクラリネットは、バセット・クラリネットではなく、音域を拡張した特注品のクラリネット。バセット・クラリネットが現在のクラリネットよりも音域が広く、特に低い音域「シャリュモー」をモーツァルトが愛好していたという話は、これらの曲の詳説には触れられている話。この曲が出版された際に、第三者の手でバセット・クラリネットでないと演奏できない箇所の音域が移し替えられることで、この曲が普及することになったが、この演奏では、バセット・クラリネットの音域に戻し、その音域を演奏するために音域を拡張した改造クラリネットで演奏している。バセット・クラリネットの復元が進んだ今日では、こうした改造クラリネットの使用は邪道と見做されるのであろうが、古楽器興隆までの過渡期的な録音として、この演奏は貴重な記録。
クラリネット五重奏曲は、和やかで楽しいアンサンブルが聴きもの。クラリネットもユーモラスな表情を湛えている。終楽章の弦楽セクションの緊密なやりとりと、そこにフッと入ってくるクラリネットの間合いが見事。聴き手は自然と音楽に溶け込める。
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