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[glamb] 2024 Winter Catalog

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[glamb] 2024 Winter Catalog 2か月前、僕はL.A.のパルムス地区にいる友人宅に滞在をしていた。コレクションのデザインをすべく、今季も僕はアメリカ西海岸に渡っていたのだった。アメリカでコレクションのデザインを行うのは今季で3シーズン目となる。 滞在する家の近所にはウッドバインパークという小さな公園があった。 そしてその脇のストリートで、路上生活を送るライアンと知り合った。 彼の家はアウトドア用のシングルテントだった。中を覗いてみると仕立ての良さそうなチェックスーツが見えた。アメリカの路上生活者の装いは独特で、年季の入ったグランジミュージシャンにも見える。ライアンもまさにそうした出で立ちをしていた。 公園でライアンを目にすると、彼はいつも通信機を手にして誰かと電話をしていてとても忙しそうだった。それは僕が今までに見たどの通信機とも異なっており、剥き出しの基板そのものだった。アメリカの電話回線の送受信をするためのものには見えなかった。彼は宇宙と交信していたのだろうか。あるいは別次元との交信をしていたのだろうか。通信機を耳に当てさせてもらうことはできなかったので真相はわからない。 ライアンの存在が気になり始めた僕は家主に彼のことを聞いてみた。“Friendly Neighbourhood Guy”、家主はスパイダーマンの愛称になぞらえてウッドバインパークにおける彼の存在をそう教えてくれた。アルコールやドラッグには手を出さず、ストリートで暮らしながら近所の人々を見守り、トラブルが起こりそうな時には顔見知りを通じて人知れずに仲介をするという。家主も一度ライアンから助言を受けたことがあるという。その時、彼はチェックのスーツを着ていたそうだ。 L.A.での1週間の滞在が終わろうとしている頃、僕は別れを告げにライアンの元を訪れた。彼は僕がL.A.から離れることを心から残念がり、僕の次のコレクションを楽しみにしていると伝えてくれた。僕は最後に聞きたかった質問を彼に尋ねてみた。 「Why do you live like this?(どうしてこんな風に生活しているのか?)」 ライアンの答えはシンプルなものだった。 「I have been Out of Society for 20 years.(僕は20年間、社会の仕組みから離れているだけだよ。)」
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