絵で読む 江戸の病と養生
酒井シヅ
江戸の人々は、
暮らしのなかで病とどのようにつきあい、癒し、いのちを守ったか
医学史研究の第一人者が、
錦絵などの絵画資料を通して江戸庶民の生活を明かす
医学史研究の第一人者である著者が、江戸時代の人々の病気や治療に対する考え方について、「新撰病草紙(しんせんやまいのそうし)」「病家須知(びょうかすち)」など多数の資料を基に考察を加える。医者の風俗や薬のほか、鍼灸や温泉、民間療法にも触れる。
百聞は一見にしかずという諺どおり、絵はことばでは見えなかった情報を豊かに伝えてくれる。たとえば、病人を描いたシーンでは、病人の困惑した顔、家族の病人へのいたわりと当惑、驚きのさまが描かれている。この病の多くは現代では簡単に治る病気である。それがこんなに重くのしかかっていたのかという思いと、現代では、病気への畏れを忘れているから糖尿病など生活習慣病がはびこるのだという思いが去来した。(あとがきより)
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