アシュケナージ／シューマン：謝肉祭、フモレスケ、8つのノヴェレッテより2曲

シューマン ①謝肉祭 op.9 ②フモレスケ op.20 ③ノヴェレッテン op.21 より　 　 第1番 ヘ長調、第2番 ニ長調 ウラディミール・アシュケナージ（ピアノ） 録音：1986年12月 村上春樹氏の短編「謝肉祭」を読んで、この曲を聴こうと思った方も多いはず。そうでなくても、この曲はシューマンのピアノ曲の中では「交響的練習曲」と並ぶ傑作です。《謝肉祭》は、曲間に限らず曲中でも、気分が変わったように曲想がコロッと転換していく。曲想が変わるときも、安定した終止形からではなく、途中で中断したように変わることもたびたび。テンポの取り方と揺らし方、旋律の間の取り方とか、強弱の変化のつけ方などアーティキュレーションの違いが、演奏に影響する度合いが、他のロマン派作曲家よりもかなり大きい。 アシュケナージは雄弁にシューマンを弾いている。厚みのあるチャーミングな音色。聴きやすい表現と抜群のテクニック。これだけ素質があれば十分であろう。とにかく、忙しく動き回り、一気に演奏される曲が謝肉祭である。なぜ、シューマンはこのようなタイトルを付けたのか？おそらく奏者のアシュケナージも分からないのではないか？謎めいた曲である。 アシュケナージのシューマンは最高。彼独特の艶のある透明なピアノの音色にのって、シューマン独特のファンタジーの世界が広がっていく。けっして大上段にかまえることなく、自然なタッチで歌うシューマンの世界は、他のピアニストではけっして得られない独特の世界。 リスニングルームがシューマンの世界で満たされて、えもいわれぬ夢幻の世界へと誘ってくれる。 デッカの録音も優秀。ここには、間違いなく最高のシューマンがある。 アシュケナージがラフマニノフの次に得意とするのは、このシューマンではないでしょうか？偏りのない表現で名曲から小さな曲まで網羅しているのはもちろん、謝肉祭での首尾一貫した音楽性は、まさにアシュケナージならではのものと言えるでしょう。早めのテンポが、いかにもシューマンらしい躍動感を生み出して、その音楽を魅力的なものとしている、すばらしい演奏です。 国内盤、帯無し、盤面傷無し　13 ＊まとめ買い値引きします(要事前コメント) 2枚購入→150円引き、3枚購入→300円引き 4枚購入→450円引き、10点以上は全品150円引き