村上春樹さんのねじまき鳥クロニクル3冊セットです。
舞台化された作品です。
経年によりカバーにスレがあります。
第二部は表紙とその下数ページに軽く折れた跡があります。天に少し傷とカバーに僅かな汚れがあります。(写真3〜5枚目)
その他目立ったダメージはありません。
気持ち良くお読みいただけると思います。
古本にご理解のある方にご活用いただければ幸いです。
・ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編
「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)
・ねじまき鳥クロニクル 第2部 予言する鳥編
「今はまちがった時間です。あなたは今ここにいてはいけないのです」しかし綿谷ノボルによってもたらされた深い切り傷のような痛みが僕を追いたてた。僕は手をのばして彼を押し退けた。「あなたのためです」と顔のない男は僕の背後から言った。「そこから先に進むと、もうあとに戻ることはできません。それでもいいのですか?」(本文より)
・ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編
僕の考えていることが本当に正しいかどうか、わからない。でもこの場所にいる僕はそれに勝たなくてはならない。これは僕にとっての戦争なのだ。「今度はどこにも逃げないよ」と僕はクミコに言った。「僕は君を連れて帰る」僕はグラスを下に置き、毛糸の帽子を頭にかぶり、脚にはさんでいたバットを手に取った。そしてゆっくりとドアに向かった。(本文より)